斬られ役列伝・木谷邦臣編/八百八町夢日記(第2部) 第31話:女泥棒の悪い癖(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)

盗っ人・伝八(中田博久)一味を使って幕府御用金一万両を強奪した旗本小普請組、綱木主水正(田中浩)の腹心・小俣某役として登場する木谷邦臣名人。見せ場は南禅寺で撮影されたラス立ち終盤、三門前での一幕です。
まずは半身を引いての下段の構えで北町奉行の榊原(里見浩太朗)と対峙する木谷名人。木谷名人、割と頻繁にこの構えを用います。
矢部義章氏→加藤重樹氏と斬り伏せた榊原に斬りかかろうとするが、牽制されて動きが止まる木谷名人。
ゆっくり横一文字の構えへと・・・
移行する木谷名人。
伝八配下の浪人(福本清三)が榊原に斬りかかると同時に・・・
右の袈裟斬りを仕掛け・・・
一度は刀を払われるものの・・・
続けざまに・・・
真向から斬りかかろうとする木谷名人。
しかし榊原にひらりと躱され・・・
刀を叩き落とされる木谷名人。
しかし、すぐさま脇差しを抜刀し・・・
低い姿勢から・・・
突きを繰り出し・・・
左手側に躱されるや・・・
さらに左手側に突きを繰り出す木谷名人。
その突きも躱されるや、そのまま斬りつけようとするも・・・
ついに胴を払われる・・・
木谷名人。
くるりと反転して・・・
榊原を睨みつけつつ・・・
地面にくずおれる木谷名人。
これまで見てきた時代劇はおそらく千本をはるかに超えると思いますが、演者がここまで手際よく脇差しにスイッチしたシーンを見たことはありません。
華々しい斬られ方をする福本清三氏や峰蘭太郎氏に比べると地味な存在である木谷名人ですが、剣捌きに関しては古今東西の時代劇史上でもナンバーワンの腕前を持つ俳優さんなのではないでしょうか。
擬斗を担当されているのは上野隆三翁。シリーズ第1部に比べてやや手抜きなラス立ちが目立った第2部ですが、この回では2分に及ぶ長丁場の立ち回りをたっぷりと見せてくれます。
カメラ位置も全体的に引きのアングルで、里見氏の美しい太刀捌きを余すことなく堪能することができます。
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斬られ役列伝・木谷邦臣編/八百八町夢日記(第1部) 第19話:涙雨、おんな暦(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像) 2018.10.07