斬られ役列伝・峰蘭太郎編/八百八町夢日記(第1部) 第27話:次郎吉捨身の反撃(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)

南町奉行就任を目論み、盗っ人・音蔵(伊藤高)一味を使って商家への押し込みで金品を強奪している元長崎奉行・兵頭修理亮(川合伸旺)の腹心役として登場する峰蘭太郎名人。見せ場はラス立ちです。
序盤、木下通博氏を斬り捨てた北町奉行の榊原(里見浩太朗)に背後から斬りつける峰名人。
榊原に刀を背面受けでガッチリ受け止められる峰名人。
カメラが寄ると同時に・・・
左手へといなされる峰名人。
何でもないシーンに見えますが、「刀を受けられる」お芝居に峰名人のセンスが光ります。実際には力を入れていないのに力が入っているように見える。また芯(この場合は里見氏)との息がピタリと合ってないと、ここまで綺麗にキメることは出来ません。
続けて兵頭が槍を持ち出した後のシーン。峰名人は座敷からのスタート。
3人続けて斬り伏せた榊原に斬りかかろうとするが・・・
制止される・・・
峰名人。
榊原が兵頭の方へと詰めて行く間・・・
徐々に横一文字へと・・・
構えを移行する峰名人。
石井洋充氏が榊原に斬りかかると同時に・・・
榊原の背後へと移動し・・・
下段の位置から・・・
左手一本で左袈裟気味に斬りかかる峰名人。
榊原に刀を払われ・・・
一回転しながら・・・
元の位置に戻って・・・
下段に構え直す・・・
峰名人。
西山清孝氏の首を掻っ切って庭へと下りる榊原を追う・・・
峰名人。
兵頭が槍の一撃を仕掛けると同時に榊原が西山氏の首から刀を引き抜きます。いったん脇構え気味に刀を構え直した後・・・
兵頭の槍のひと突きを刀で払った榊原に・・・
背後から斬りかかる・・・
峰名人。
これだけ大きく振りかぶれるからこそ、刀が大きな弧を描いて華々しく斬られることが出来るのです。
あっさり胴を・・・
払われ・・・
大きく身を・・・
よじってから・・・
絶命する峰名人。
斬られ役がぞろぞろ出てくる立ち回りシーンでも、「あぁぁぁぁ」のかけ声で「あ、いるな」と一発でわかる峰名人。
立ち回り中は手空きの時間でも常に細かい芝居をされていて、構えも正眼→上段→下段と目まぐるしく変わりますが、常に腰が落ちているので、流れるような動作の中にも安定感が途切れることはありません。
相手に斬りかかろうとして制止されると、顔の前に両腕できれいな菱形を作って上段の構えで固まってしまうのも峰名人の鉄板。その際にはしっかりと「恐怖の表情」を浮かべるお芝居をなさいます。
この回の擬斗担当は菅原俊夫翁。里見氏のバリエーション豊かな太刀捌きを堪能できるほか、川合氏の槍を使った豪快な立ち回りも必見です。
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斬られ役列伝・峰蘭太郎編/江戸を斬るVIII 第5話:意外な目撃者(製作/C・A・L 制作協力/東映太秦映像) 2019.02.07