斬られ役列伝・笹木俊志編/八百八町夢日記(第1部) 第22話:与力の娘(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)

御浜御殿改築工事にからめて悪事をはたらく作事奉行、池田大弐(原口剛)の腹心・梶山甚十郎役として登場する笹木俊志名人。見せ場はラス立ちです。
北町奉行の榊原(里見浩太朗)が「関わりなきものは去れ!さもなくば斬る!」の決め台詞を吐くなり、刀を立てて金剛の構えに入る笹木名人。
清家三彦氏→奔田陵氏→宮本浩光氏→波多野博氏と池田の家臣たちが次々と榊原に斬られてしまいます。札差・平野屋(田口計)配下のチンピラたちはみんな逃げてしまい、残るは笹木名人と榊原の一騎打ち。
まずは刀を左手に引いて・・・
小さく横払い気味に一太刀繰り出し・・・
払われた刀でさらに薙ぎ払うように大きく刀を振るい・・・
榊原を遠ざけ動線を確保してから庭に着地・・・
「うぉぉぉ」という野太いかけ声と共に刀を立てて・・・
榊原と対峙する笹木名人。
ゆっくりと詰めて来る榊原に対して微動だにしない笹木名人。
突如、右袈裟斬りを仕掛けますが・・・
刀を左手に払われて袈裟斬りを仕掛けられ・・・
慌てて右手後方に後退しつつ・・・
右手一本で大きく横払いを繰り出し榊原を牽制しながら・・・
仕切りなおす笹木名人。
暫し睨み合いの後、左手に回り込もうとする榊原に対して・・・
正眼に構え直しつつ、同じく左手に回り込もうとする笹木名人。
そこから不意に加速して・・・
ポジションを取る笹木名人。
緩やかに展開していた斬り合いが、ここから一気に動き出します。
まずは左手からの天。
刀を引いて・・・
右手からの・・・
天。
さらに左手からの・・・
天。
下半身が安定している笹木名人、連続して繰り出される太刀筋がとても美しいです。
お互いに寄って・・・
激しい鍔迫り合い。
榊原に右手へと回り込まれ・・・
刀を大きく押し上げられる笹木名人。
一瞬、体勢を崩されながらも・・・
すぐさま一太刀繰り出す笹木名人。
しかし繰り出した刀を榊原にがっちり受け止められ・・・
いなされてから左手一本で横払いを繰り出され・・・
逃げるのがやっとの笹木名人。
最後は榊原渾身の・・・
袈裟斬りを浴びて絶命する笹木名人。
殺陣シーンでは変わった構えを多用する笹木名人。刃を下にして柄を顔の辺りまで持ち上げ身をかばうような仕草は、笹木名人がよく用いる鉄板の動作のひとつです。
またスローな展開の立ち回りの面白さにかけては笹木名人の右に出る者はいませんね。構えの移行の仕方や足さばきなど、じっくりとした間合いを取るのが非常に上手い役者さんだと思います。
擬斗を担当されているのは上野隆三翁。1対1の斬り合いがメインになるラス立ちというのは滅多にお目にかかれませんが、そこはさすがの上野翁、全体を通じて格調高い立ち回りに仕上げておられます。
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