斬られ役列伝・木谷邦臣編/松平右近事件帳 第20話:宝船 地獄行き(制作/六本木オフィス・ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)

廻船問屋の鳴海屋六兵衛(北村英三)と結託、千両箱の中味を砂にすり替えたうえで爆薬を使って運搬船を沈め、伊予宇和島藩への公儀貸付金、二万両をネコババした勘定奉行・水野出羽守(田島義文)配下の武士の一人としてラス立ちシーンに登場する木谷邦臣名人。シーン序盤から終盤まで、カラミ役の中心として大活躍なさいます。
序盤、右近(里見浩太朗)の「歯向かう奴は容赦はせん」の決め台詞の直後、白井滋郎氏に続いてあっさり斬り伏せられる・・・
木谷名人。
しかしその直後には、もう水野の後方で生き返っている木谷名人(笑)
場面変わって廊下での一幕。
一手・・・
二手と右近に受けられ・・・
胴を払われる・・・
木谷名人。
わずか三手、一瞬で終わるシーンですが、淀みなく連続技を繰り出せる木谷名人の職人芸によって、里見氏の太刀筋が鮮やかに引き立ちます。
ややハイアングルに切り替わり、再度復活している木谷名人(左)。
そのまま庭に下りてからの攻防。
繰り出した刀を左手に払われ・・・
引いた刀を右腕一本で構え直す木谷名人。
水野を背後にかばいつつ・・・
じりじりと右手に回り込む木谷名人。
右近が1人斬り捨てたタイミングで斬りかかるも・・・
制止される木谷名人。
今度は右近にじわじわ右手へと回り込まれる木谷名人。
高めの突きを繰り出すが・・・
大きく払われ・・・
さらに斬りかかって払われた刀を大きく振りかぶり・・・
渾身の一太刀を浴びせにかかるも・・・
回り抜き胴を決められる木谷名人。
本作の擬斗担当は上野隆三翁。終盤のシーンは実質的に木谷名人と里見氏の1対1の対峙を軸に立ち回りが展開していますが、上野翁がラス立ちを振り付ける場合、こうした木谷名人の重用は珍しいことではありません。
おそらく木谷名人も心得たもので、単なる大勢の侍の一人に留まらず、とりわけ主君(この場合は水野出羽=田島義文氏)を敵(右近・笑)から守り切ろうとする侍の動きを見事に演出されてますね。
もちろん誰でも出来るというものでもなく、所作と言い刀捌きと言い堂々としていて、登場する侍たちの中で一番強そうに見えるところがポイントです・笑
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