竹光カスタム・下げ緒編/「大名(浪人)結び」と「蝶結び」

竹光カスタム・下げ緒編/「大名(浪人)結び」と「蝶結び」

本気で殺陣に取り組むなら木刀ではなく「竹光」が必要です。このご時世では、あまり需要もないと見え(笑)、入手先が限られるうえに、なかなか高価な買い物になりますが、どのようなルートであれ新品の竹光を購入すると、だいたい下げ緒は下の画像のように結ばれた状態で納品されます。

竹光カスタム・下げ緒編/「大名(浪人)結び」と「蝶結び」

いわゆる「大名結び」と呼ばれる結び方ですね。床の間に飾るための見栄え重視の結び方とされていて、「浪人結び」とも呼ばれます。

竹光カスタム・下げ緒編/「大名(浪人)結び」と「蝶結び」

さて、竹光が手元に届いたら、まず始めに手を付けなければならないのはここ。

時代劇をきちんとご覧になっている方なら、下げ緒がこの状態のまま刀を腰に差している役者さんなんて「一人もいない」ことをご存じだと思いますが(特に脇差し!!)、私が通っている殺陣の道場にお見えになる(自称)プロの役者さんの中には、この結び方のままで稽古に励まれる役者さんも結構いらっしゃって、「あ、この人たちは時代劇のことがあんまり分かってないな」と一発でバレてしまうわけです(笑)

東映京都の時代劇では、基本的に大刀は「蝶結び」、脇差し(小刀)は「茗荷結び」と決まっています。

つまりこの状態。

竹光カスタム・下げ緒編/「大名(浪人)結び」と「蝶結び」

「蝶結び」のアップ。

竹光カスタム・下げ緒編/「大名(浪人)結び」と「蝶結び」

この結び方ですと、下げ緒の先端を引っ張ると一瞬でほどけるので、素早く襷掛けに移行したりすることが可能なんですね。刀を扱う方たちにとっては常識のはずなんですが、まぁ、役者さんというのは必ずしも刀(小道具?)に精通している必要はない職業ですからね・・・

なお、上の画像(大刀)では東映京都に倣って7尺の下げ緒を使用し、余った終端をもう一度輪っかの中にくぐらせています。大刀用の下げ緒の正式な長さは5尺とされていますが、5尺だと襷(たすき)には短すぎるんですね。新品の竹光に(大名結びにされて)付いて来るのが、だいたい7尺の下げ緒なので、大刀に関してはそのまま流用することができます。

脇差し(茗荷結び)に関しては、もっと短い下げ緒が必要になるので、ちょっとした工夫が必要なんですが、そちらについてはまた後日・・・。