時代劇名優一覧(男優編)・小松方正/三匹が斬る! 第11話:大逆転、絹街道の美女と悪い奴(制作/テレビ朝日・東映)

金と女に目がない公儀巡察使・黒木弥十郎役で登場する小松方正先生、今回は喜劇担当としてのご出演。出番の度に抱腹絶倒ものの大活躍をなさいます。
黒木よりもひと足先に宿場に入った平四郎(高橋英樹)を巡察使だと勘違いした総名主の惣兵衛(小林勝彦)一味、悪事が露見しないようにと平四郎の接待に心血を注ぐあまり、黒木には宿泊所すら用意していません。
ようやく宿場に辿り着いたものの、宿がないと知って宿場の目明し・半助(笹木俊志)にブチぎれる黒木。
「バカもん!!」
なぜか真っ赤な陣羽織姿の巡察使・・・(笑)
慌てて黒木の元に切り餅持参で駆け付けた惣兵衛を前に、コロリと機嫌を直す黒木。
「総名主、信濃屋惣兵衛の束ね殊の外宜しく、咎むべきこと何事も無し、とな、まぁこのように御公儀には言上しておくからな」
最後に「宿の手配並びに、女は頼むぞ」とちゃっかり要求を忘れない巡察使さま(笑)
場面変わって・・・。旅籠の一室で、これまでに賄賂として稼いだ三百両あまりの小判を上機嫌で弄ぶ黒木。
「この分なら、江戸に着く頃には五百両は超えとるのぅ」
そこに突然闖入して来る平四郎。黒木配下の2人(木谷邦臣/壬生新太郎)を倒して黒木を掴まえます。
黒木「待て、待て、殺すな!」
そして惣兵衛一味によって佐助(井上高志)の女房・お袖(白都真理)が監禁されている延勝寺に現れた黒木。
武装した惣兵衛一味を前に「この物々しい手配りは何だ?」
実は黒木の尻に突き付けられている平四郎の刀(笑)
言わされてる感丸出しで「ここにお袖という女がおるのか?」
「その女をここへ出せ!」
尻が気になる巡察使さま(笑)
「い、痛い・・」
しまいに声が裏返る黒木。
「早くせぇぇい!!」
銀蔵(吉田豊明)が隠れている平四郎に気づいたところで千石(役所広司)と陣内(春風亭小朝)を合わせた三匹が颯爽と登場。
付き合わされる巡察使さま(笑)
斬り合いが始まるや否や、巡察使さまはどさくさに紛れて逃亡するのでした。
冷酷非情な極悪人を演じてもサマになる小松先生ですが、この黒木弥十郎のようなコミカルな小悪人も大変上手に演じられますね。「女は頼むぞ」のシーンで見せた一瞬の表情などは、余人の誰一人として再現できない当代随一の素晴らしいスケベ顔だと思います。
ちなみにこの回の脚本担当は、小川英氏と胡桃哲氏のゴールデンコンビ。小松先生が退場した後にタイトル通りの大逆転劇が待っていて、ストーリーの最後まで楽しめます。
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時代劇名優一覧(男優編)・小松方正/江戸を斬るVII 第25話:願い叶えた千両富(製作/C・A・L 制作協力/東映) 2018.12.08