時代劇アイドル編・田辺ひとみ/江戸を斬るVIII 第16話:幼馴染が悪の手先(製作/C・A・L 制作協力/東映太秦映像)

東映京都の大部屋女優にあってアイドルのような可憐なルックスで素朴な町娘役などが大変お似合いだった田辺ひとみさん。本作ではその清純なイメージを一新、アヘンに溺れる妖艶な遊女役を艶めかしく肌など露出しながら体当たりで好演されています。
今回、ひとみちゃんが演じるのは、浅草溝店(どぶだな)の岡場所「よしのや」の女郎・お駒。
アヘンを炙ったばかりのキセルを咥えながら、気だるそうに「はぁ・・いい気持ち・・・」と官能的な吐息を漏らすひとみちゃん。
んー、いいですね~。いつもの清純キャラとのギャップがたまらん(笑)
虚ろな目つきで「主さん、やるかい?」と、アヘン密売の証拠を押さえるために客として「よしのや」に潜入している北町奉行所の隠密同心・小山一作(野口貴史)にキセルを手渡すひとみちゃん。
小山の肩に甘えながら、「お前さんもとうとう、同じ穴の狢だね・・・」と可愛らしく呟くひとみちゃん。
「アヘンだろうが押し込みだろうが、お前のためなら何だってやってやるぜ」と言う小山に、「嬉しい・・・あたいだって一つぁんのためだったら」とさらに甘えるひとみちゃん。
そこで小山が「さっきの話は本当だろうな?」と、お駒が耳にしたというアヘンの取引きに関する密談の話を持ち出します。密談の主は「よしのや」の主人(牧冬吉)と、一帯を取り仕切るヤクザ者の親分・般若の虎五郎(福山象三)。
「あぁ、本当のことさ」と小山の腕に指を絡ませるひとみちゃん。
「うちの旦那と般若の親分が話し込んでるのをこっそり聞いちまったんだよ」と、その日の子の下刻に山谷堀の舟小屋でアヘンの取引きがあるなんて事をペラペラ喋るひとみちゃん。
そんなやり取りは、ある人物の盗み聞きによって一味に筒抜けでした。小山の通報で北町の捕り方が問題の舟小屋に駆け付けてみると・・・
小山共々、心中に見せかけた死体で見つかってしまう可哀想なひとみちゃんなのでした。
それにしても今回のひとみちゃん、白粉まぶした片肌脱ぎ姿がとてもセクシーですね~。時代劇のお女郎さんと言えば、衿をはだけて胸元が少しだけ見えるような着こなしはよく見かけますが、片肌脱ぎというのはあまり見たことがありません。不自然と言えば言えなくもないのですが(笑)、腕の細さに加え、露わになった肩から鎖骨に至る華奢なラインが、ひとみちゃんの少女っぽい魅力をいやが上にも盛り立てます。
そして男に甘えるお芝居からも目が離せないひとみちゃん、相手役の野口氏の腕や肩をすりすり・・・(笑)薬中毒のお女郎ともなれば、もっと際どい絡み方をしても良さそうなものなのですが、そこはやっぱり清純派女優(?)のひとみちゃん。紡ぎ出されるセリフの淫靡な調子とは裏腹に、男への甘え方にも何処かあどけなさというか、初々しさを感じさせます。
そんな可愛らしいひとみちゃん。小山との寝物語のシーンが終わった後、もう出て来ないのかな?と思っていたら、いきなり首吊り死体となって再び画面に現れるとは、あまりにショックな展開です。しかも二人の死体が発見されるシーンでは、死んだ小山の表情がアップで写されるカットがあるのに、お駒(ひとみちゃん)の死体はオマケ扱いのように一瞬しか映らないという、この儚さ!
ですがそんなコマ割りでさえも、ひっそりと野に咲く名も知れぬ一輪の花を思わせる可憐なひとみちゃんの魅力を再確認するには相応しい演出なのかもしれません。
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