時代劇アイドル編・村上理子/長七郎江戸日記(第1部) 第102話:片思い(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)

時代劇アイドル編・村上理子/長七郎江戸日記(第1部) 第102話:片思い(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)

とにかく日本髪のよく似合う美人で、笑顔がとんでもなくチャーミングな村上理子さんという女優さんがおりまして、ごくたま~に東映京都の時代劇にも出演されていたのですけれども、それはもう、いっかい観たらめちゃくちゃ印象に残る、それはそれは魅力的な女優さんなのにも関わらず、本当にごくたま~にしか出て来ない。あんだけ日本髪がよく似合う美人で笑顔も素敵な女優さんなのに何でや?と思ったものですが、まぁ、関東を拠点にされてる女優さんだったから、とかなのかな・・・?

そんな数少ない村上理子さんの出演作品の中から、長七郎江戸日記シリーズ第1部より、チョイ役で呑み屋の女将を演じられたお話をピックアップ。

 

油問屋・上総屋への火付けの罪で、大工・佐吉(伊庭剛)が火付盗賊改方に捕縛されます。夢楽堂に現れた、佐吉とは幼馴染みだというお鈴(杉田かおる)という娘が、真犯人を見つけ出して佐吉の無実を晴らして欲しいと、岡場所に身を売って作った二十両を差し出します。そこまでして佐吉を助けたいと言うお鈴の心根にほだされ、金はお鈴に突き返したうえで調査を開始する長七郎(里見浩太朗)。

長七郎に命じられた辰三郎(火野正平)は、火付けのあった夜に佐吉が酒を飲んでいたという呑み屋へ聞き込みに向かいます。暖簾をくぐって入店したところで、まずは後ろ姿の理子さん登場!

辰三郎「こんちゃ!」
おとよ「いらっしゃーい!」

時代劇アイドル編・村上理子

振り向くなり満面の笑顔が炸裂するキュートな理子さん。

「お酒?肴、何にする?」

時代劇アイドル編・村上理子

ごめん、と言いながら、お茶を要求する辰に御冠(おかんむり)の理子さん。

「お茶!?」

時代劇アイドル編・村上理子

「ちょいと!ここはねぇ、水茶屋じゃないんだよ!?」

時代劇アイドル編・村上理子

女将さんに聞きたいことがあって来た、という辰に、態度の悪い理子さん・笑

「お前さん、いったい誰だい?」

時代劇アイドル編・村上理子

辰が夢楽堂と名乗るとコロッと態度が変わる理子さん。

「あー!読売屋さんかー」

時代劇アイドル編・村上理子

「ね?読売に、この店やあたしの名前が出るかい?」

時代劇アイドル編・村上理子

辰三郎「出るよ、もちろん出るよ!でっかく出るよ!え~っと、小料理屋ひさごの粋な美人おか・・・」

時代劇アイドル編・村上理子

辰三郎「お姐さん、お名前、何て言うの?」
おとよ「おとよ!」

時代劇アイドル編・村上理子

辰三郎「おとよさんは、こう語った、て出る、ちゃんと」
おとよ「美人女将ってほどじゃないけどさぁ(照)」

時代劇アイドル編・村上理子

「で?何が聞きたいの?」

時代劇アイドル編・村上理子

いいですねぇ~ 天真爛漫、愛嬌溢れる小粋なお姉さま感!最強!!

で、辰が佐吉の話を切り出すと「その人に聞いた方が早いよ」

時代劇アイドル編・村上理子

その晩、佐吉と一緒に飲んでいたという銀次(石倉英彦)に話をフる理子さん。

「ねぇ、銀次さん」

時代劇アイドル編・村上理子

この銀次ってのが火付盗賊改方与力・永井軍兵衛(井上博一)の手下で、佐吉を火付けの下手人に仕立てあげるために、ひさごで佐吉を酔い潰した挙句、かつての佐吉の許嫁で、今では火付盗賊改方長官・鬼塚刑部(上野山功一)の妾となっているおまき(香山まり子)の妾宅へと運び込んだ張本人。鬼塚は結託している油問屋の大和屋(西山辰夫)を公儀御用達にするために、配下の同心に命じて商売仇の上総屋に火を放たせたのでした。

辰三郎にあれこれ聞かれるが、他人事のようにとぼけ続ける銀次に鋭い指摘をする理子さん。

「あんた、あの人と一緒に出てったじゃないの」

時代劇アイドル編・村上理子

後で思えば、これがよくなかった。

しかし店の外ですぐに分かれたという銀次にあっさり納得してしまう理子さん。

時代劇アイドル編・村上理子

それだけ聞いて、礼を言いつつ飛び出していった辰三郎に続いて・・・

銀次「さて、オレも切り上げるか・・・勘定頼むぜ」
おとよ「はい!」

時代劇アイドル編・村上理子

ん~、いい笑顔!

そりゃぁ、こんな女将がいたら、メンズなら誰でも一度は飲みに行ってみたくなっちまうっつーもの!

で、これで理子さんの出番は終わりかと思ったら、金を積まれて嘘の証言をした夜回りの久六(日高久)に続いて、口封じに殺されてしまう理子さん。

時代劇アイドル編・村上理子

ひどい!

てか前歯チョロンと見えてたりして、死に顔リアル過ぎ!美人台無し!!

 

時代劇でお見かけするときは、だいたい(武家ではなく)町人の女役にキャスティングされていた理子さん。もうとにかく、日本髪が似合うだけじゃなく、セリフ回しやちょっとした仕草にいたるまで、時代劇よく分かってるなぁ~と観る者を唸らせる実力派だったと思うんですが、あんまり京都には呼ばれなかったみたいで、勿体ない限りです。