竹光カスタム・下げ緒編/大刀用の下げ緒から脇差し(小刀)用の下げ緒を作る

前回も触れましたが、市販の竹光はたいてい大刀・脇差し(小刀)ともに7尺の下げ緒が「大名(浪人)結び」にされた状態で納品されます。
ですが東映京都の時代劇では、基本的に大刀は7尺程度の下げ緒を「蝶結び」で、脇差し(小刀)は3~4尺程度の下げ緒を「茗荷結び」で結びつけています。
大刀の方は結び方を変えてあげればOKですが、脇差し(小刀)に7尺の下げ緒は長過ぎますので、専用の下げ緒を用意しなければなりません。
脇差し用(だいたい4尺)、あるいは短刀用(だいたい3尺)などと称して市販されている下げ緒を購入するのもアリですが、居合をやる方たちからの需要が絶えない7尺以外の市販品は選択肢が乏しいのが実情でして、大刀の下げ緒と「同じような色」の下げ緒は入手できても、色合いや質感が微妙に違っていたりして、なかなか悩ましいところです。
ですがこうした問題は、もともと脇差し(小刀)に付いて来る下げ緒を半分(3.5尺×2本)に切ってしまえば全て解決します。
まずは鋏でカット。
ここからお裁縫です。同じ色の糸(20センチ程度)を用意し、終端は玉結びにしたうえで切り口から2、3センチほどの位置に縫い通し・・・
さらに下げ緒に4、5回巻き付けます。
↑で巻き付けた糸(の束)をさらに巻き付けるように・・・
表→裏→表と8の字型に何度か縫い通します。
最後に糸がほどけないように玉留めにして裁縫タイム終了。
房となる部分の糸をクジリでほぐします。
糸よりをほぐし切ったら(Before)・・・
やかんや鍋でお湯を沸かし、湯気にしばらく晒してあげれば完成(After)。
原理はよく分かりませんが、湯気に晒してやれば正絹であれ木綿であれ化繊であれ直毛になるようです。不思議ですね。
最後に房を鋏で切り揃えます。房の長さは大刀の下げ緒に合わせてあげればよいでしょう。
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