斬られ役列伝・福本清三編/ご存知!旗本退屈男II 薩摩に倒幕の謀反!謎の南蛮船と能面武士の密書!!(制作/テレビ朝日・東映)

市川右太衛門氏の当たり役・早乙女主水之介をご次男・北大路欣也氏が演じるということで話題を呼んだ、テレビ朝日制作の時代劇「ご存知!旗本退屈男」シリーズ第2弾となる本作。
大老・酒井雅楽頭(近藤洋介)と結託して将軍・綱吉(長門裕之)の暗殺を謀る薩摩藩家老・伊集院監物を石橋蓮司氏が演じているのですが、ラス立ちで石橋氏の吹替えとして福本清三名人が活躍されています。
ラス立ちの舞台は大坂港沖に停泊中の薩摩藩が所有する軍船・光南丸の船上。監物らは光南丸に綱吉を招待し、船倉に仕掛けた爆薬で船ごと爆破しようと企んだのですが、いつの間にか綱吉は姿を消し、代わりに現れた主水之介と一味は斬り合いになります。
導火線に火をつけた監物は船から逃亡しようとしますが、主水之介に妨害されます。マスト直下で主水之介と斬り合うシーンは福本名人の吹替え。
天・・・
天と打ち合って・・・
刀をかぶせられる福本名人。
払い上げられた刀で・・・
そのまま主水之介に斬りかかるも・・・
ひらりと躱される福本名人。
下段に構えて仕切り直す福本名人。
3人斬られて・・・
脇構えに構え直す福本名人。
腰は落ちてますが上半身は棒立ちなのが福ちゃん流。
じりじりと移動しつつ、刀を下段に構え直し・・・
さらにゆっくりと上段の構えに移行する福本名人。
これまたゆっくりと両手を大きく開いて刀を構え直す主水之介との対比が息を呑む程に美しい。
均衡を破って水平に刀を繰り出す福本名人。
その刀を主水之介に受けられるシーンでは、石橋氏登場。
やはり福本名人に比べると、刀捌きにおぼつかなさを感じずにはいられません。
刀ごと一段下がったデッキに押しやられたところで画面が切り替わり、ふたたび福本名人が登場。
主水之介の脛部を切り払おうとするも・・・
主水之介にジャンプで躱され・・・
反撃のひと振りを喰らい・・・
身をよじって逃げるのが精一杯の・・・
福本名人。
間合いを詰めて来る主水之介を前に、じりじりと後退する福本名人。
ここから連続技。
一手目は福本名人が・・・
空振り。
その後、後退しながら、天・・・
天・・・
天、と受けて・・・
5手目で反撃に転じるも・・・
抜き胴を決められる福本名人。
ここで画面切り替わって再び石橋氏登場。
さらに右→左→右→左とめった斬りにされ、「おのれ・・・」と言いかけて、そのままゆっくりとデッキに沈む石橋氏でした。
この殺陣シーン、福本名人の刀捌きも素晴らしいのですが、特に中盤以降は間を挟みながら展開されることによる静と動のコントラストが効いている点も秀逸ですね。最後の最後、じわじわと間合いを詰める主水之介を前にゆっくりと後ずさりしていた福本名人が突如、主水之介に斬りかかるや否や、連続する五手であっと言う間に勝負がついてしまう場面は何度観てもシビれます。
本作の擬斗担当は菅原俊夫翁。東映系の北大路氏が出演される作品では、よくタッグを組んでおられますね。ちなみに福本名人、そもそも本作では酒井の腹心役にキャスティングされているので、この殺陣シーンの後に主水之介が酒井の元に乗り込むシーンでは、エビ反りをキメて華々しく斬り死になさいます。
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