斬られ役列伝・木谷邦臣編/闇を斬る!大江戸犯科帳 第18話:蛍大名(製作著作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像)
- 2019.04.08
- 木谷邦臣(東映剣会)
- 斬られ役, 木谷邦臣, 殺陣, 闇を斬る!大江戸犯科帳

将軍・家斉(峰蘭太郎)の寵愛を受ける妹・萩の方(谷口友香)の権勢を悪用し、呉服商・大村屋治平(西山辰夫)と結託して大奥御用達の座を結成、加盟金と称してひと店千両を徴収しようと画策し、これに逆らった指物師・辰五郎(砂塚秀夫)を殺害した立花藩主・沢田河内守(石山雄大)のいち家来としてラス立ちに登場する木谷邦臣名人。手数は少な目ですが、さすがの存在感を見せつけて下さる活躍ぶりです。
大目付・一色由良之助(里見浩太朗)の決め台詞、「性根を据えてかかって来い!」の直後、河内守が「うるさい!斬れ斬れぃ」と絶叫するや否や一色に斬りかかった白井滋郎氏が胴を払われます。画面右側ですかさず抜刀の姿勢に入り・・・
まず刀を鞘から半分引き抜き・・・
そこから一気に抜き去る木谷名人。
芸が細かいですねぇ。剣会の殺陣は常々リズム重視で展開されますが、そのリズムにちょっとした変化をもたらす、木谷名人ならではのファインプレーだと思います。
さらに振りかぶった白井氏が一色に胴を払われます。左半身を引いて刀を下段に構える木谷名人。
続けて一色は白井氏を真向斬り。刀は下段に構えたまま、左足を一歩踏み込んで前へ出る木谷名人。
斬られた姿勢でしばらく粘った白井氏がフレームアウトすると同時に・・・
すっくと立ち上がった一色を前に、再び左足を引いて後ずさる木谷名人。
後退しながらゆっくりと切っ先を上に向け、中段の構えへと移行する木谷名人。
福本清三氏の背後から木谷名人の右斜め後方に移動した池田謙治氏が一色に斬りかかります。一瞬、構えを解く木谷名人。
一色が池田氏の刀を巻き落としてから・・・
池田氏の背中に斬りつけるタイミングで福本氏共々、一色に斬りかかろうとするが・・・
目付けで牽制されて福本氏と共に動きが止まる木谷名人。
福本氏共々、じりじりと後退する木谷名人。
ついに一色に斬りかかった福本氏に続いて突きを繰り出すも・・・
刀を払われ・・・
壬生新太郎氏が一色に斬りかかると同時に・・・
時計回りにターン・・・
胴を払われた壬生氏の背後から・・・
「ぬぉぉぉ!」と野太いかけ声と共に・・・
一色に斬りかかるも・・・
ひらりと躱され・・・
続けて一色の脚を狙って一太刀繰り出すも・・・
刀で受けられる木谷名人。
一色が刀を引くのにワンテンポ遅れて刀を引き・・・
繰り出した一太刀を受け流され・・・
半時計回りにターンして・・・
振りかぶるも・・・
一色に左手一本で胴を払われる・・・
木谷名人。
いったん仰け反ってから・・・
姿勢を戻し・・・
そのままフレームアウトする木谷名人。
ラス立ち前半であっさり斬られてしまう木谷名人ですが、里見氏演じる一色由良之助と実質、1対1による斬り合いを演じます。鞘からまず刀を半分だけ引き抜いてからの抜刀というのは、主演級の役者さんでも滅多にやらない技だと思うのですが、そこは木谷名人、さらりとやってのけますね。さすがです。
残念なのは、始めの突きと言い、受け流された後の一太刀と言い、木谷名人の刀が誰もいないところに繰り出されているのがまる分かりな点でしょうか。全てはカメラアングルの問題ですが、何か演出上の意図があったのか、ちょっと分かりません。
-
前の記事
斬られ役列伝・木谷邦臣編/新・松平右近 第22話:右近の旅立ち(制作/ユニオン映画・六本木オフィス 制作協力/東映太秦映像) 2019.03.14
-
次の記事
斬られ役列伝・木谷邦臣編/長七郎江戸日記(第1部) 第19話:裏切り御免(制作/ユニオン映画 制作協力/東映太秦映像) 2019.09.14